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【昼】喫茶営業never on monday /【夜】作家・多和田葉子の朗読&トーク「熊の手とウンゲツィーファー」
2016年4月4日(月)

【昼】喫茶営業never on monday

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【夜】作家・多和田葉子の朗読&トーク「熊の手とウンゲツィーファー」

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[日時]

2016年4月4日(月)開場 19時 / 開演 19時30分 / 終演 21時

[料金]1500円+1ドリンク

[出演]多和田葉子(作家)

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作家・多和田葉子さんは1982年からドイツに住み、日本語とドイツ語の両言語で作品を手がけられています。

2011年に発表された『雪の練習生』は、ベルリン動物園に生まれた「クヌート」を主人公に、ホッキョクグマ3世代が動物と人の境を自在に行き来して語られる物語です。多和田さんは日本語で書いたこの作品を、ご自身の手でドイツ語に翻訳されました。これまでご自身がドイツ語で書いた作品を日本語に翻訳することはあっても、日本語で書いた作品をドイツ語に翻訳することはこれが初めてのことでした。

“日本語版と同じように主語が熊か人間かがわからないような書き出しをしたいのに、ドイツ語では、主語が人間の場合と動物の場合では使う単語が違うことがあるので、どっちかに決めないと書けない。たとえば「手」という場合にも、人間には「手」があるけれど、動物には「手」という単語を使わない。そこで、日本語で言えば人間の「手」Handと動物の「手」PfoteをあわせたPfotenhandという新しい造語を作った”(『雪の練習生』について)

そして2015年には、カフカの代表作『変身』を翻訳されました。

“ウンゲイホイアのようなウンゲツィーファーに変身してしまった。ウンゲイホイアは化け物だが、連続殺人魔などがそう呼ばれることがあり、余剰によって人間をはみだしてしまった語感がある。ここでは「ウンゲイホイアのような」という意味の形容詞になっていて、それが掛かる名詞の「ウンゲツィーファー」が重要である。害虫をさす言葉で、実際ザムザの新しい身体は巨大な甲虫を思い起こさせるので、害虫とか甲虫とか訳してもいいが、ウンゲツィーファーという単語の語源を調べてみると、「汚れてしまったので生け贄にできない生き物」という意味があると知った。昆虫だけでなく、哺乳類も含まれる。ザムザは共同体のために自分を生け贄にし、過労死に向かっていたのが、汚れた姿に変身することで自由になった。その代わり、家族や社会から見捨てられ、生き延びることができなくなった。機能すべき社会にとって異物、邪魔者になってしまった側の視点に読んでいる側がゆっくりと移行していけるような、そんな文体に翻訳してみたい”(カフカを訳してみて)

多和田さんはドイツ語と日本語のあわいに身を置いているからこそ、ドイツ語と日本語の両方の可能性を押し広げることができるのだと思います。境界に立つ時にこそ、きっと人は豊かな表現を生み出し得る。言葉が広がれば、世界が広がる。

ドイツ語版『雪の練習生』、新訳『変身』の朗読を中心に、境界の先にある暗がりを照らす言葉の響きを、ご体験頂けたらと思います。

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プロフィール:

多和田葉子(たわだ・ようこ)

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小説家・詩人。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒、ハンブルグ大学大学院修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。大学卒業後の1982年よりドイツ・ハンブルグに移住、日本語、ドイツ語で詩作、小説創作。96年、ドイツ語での文学活動に対しシャミッソー文学賞を授与される。主な作品に「かかとを 失くして」(群像新人文学賞)、「犬婿入り」(芥川賞)、『ヒナギクのお茶の場合』(泉鏡花文学賞)、『容疑者の夜行列車』(伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞)、『雪の練習生』(野間文芸賞)、『雲をつかむ話』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞)、『献灯使』など。

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